2012年5月14日月曜日

最新の科学から見た「うつ病」


B−2 :他人にどう思われているか、常に心配でびくびくしている自信喪失性格の場合。

B−3 :完全主義性格の場合。

B−4 :対象喪失反応から回復出来ず、対象喪失うつ病に移行する場合。

B−5 :他に病気があって、不眠が半年以上続き、うつ状態からついにはうつ病に至ってしまう場合。

B−1)
「累積疲労(蓄積疲労)」は、堀史朗が、平成九年に発見し、平成11年までに、まとめた疾患概念です。それまで、だれも疲労が溜まって病気になるとは、考えてもいませんでした。

大学病院でも、検査に異常値がでないため、論文を書くことが出来ず、だれも研究する人がいませんでした。 

しかし、堀は、総合病院の心療内科の外来患者さんを数十例診ているうちに、あることに、気づいたのです。

眼科、耳鼻科、内科、外科、整形外科、産婦人科などから心療内科に紹介されてくる、原因不明の(検査異常のない)身体症状群をもち、疲れを訴える人たちが、全く同じプロセスを辿って、 症状が進行していくという事実です。

それらの症例を細かく見ていくと、軽症、中等症、重症と、どの科から紹介されてきた患者さんであっても、おなじメデイカルプロセスをとって、進行していくことがわかったのです。


高齢者のうつ病の対処メカニズム

疲労は、オフィスワークによって、体は血行不良に陥り、体の筋肉は冷え、頭ばかりが長時間、異常に興奮させられる頭脳労働と、主に体を使い、体の血液の循環はとてもよくなり、頭の異常興奮もないかかわりに、筋肉(長時間熱をもち続ける)、靱帯、軟骨、骨の激しすぎる使用が強いられる肉体労働に大きく別れます。 

オフィスワークで、一日12時間以上にわたり脳内伝達物質を使い続け、それが、数年から十数年に渡ると、体の症状群に気を取られている隙をついて、脳内伝達物質は、 じわりじわりと減っていくのです。

疲れたというだけでは、本人は、脳内伝達物質の減少に気づきません(初期)。

夜は寝ても寝ても眠く、会議や電車の中、果ては仕事中にすら眠さに耐えきれず居眠りをするようになっても、まだ脳内伝達物質の減少には、気づきません(中期)。

ところが、体の症状が複数出てきて、あちこちの病院で検査を受けても、全く正常と言われ続け、夜中に何度も目が覚めるようになると、ようやく、「ただならぬことが起こっている」ことを、

感じ始めます。この時点では、うつ病と診断されなくとも、かなり脳内伝達物質は減ってきているのです(末期)。

そして、ある日突然に眠気が来なくなります(仮面うつ病)。

累積疲労(蓄積疲労)の初期、中期、末期、仮面うつ� ��と病気が進行したと自覚できる人は、ほぼ全員が、突然寝られなくなった日を覚えているから不思議です。


幽霊黒いもののパニック発作

このようにして、仮面うつ病になると、寝られないことにより、今までゆっくりゆっくりと減少してきた脳内伝達物質が、加速度的に減少し始めるのです。

B−2)
自信喪失性格なんて聞いたことがない、という方がほとんででしょう。

しかし、ちょっと待って下さい。

今、この論文を読んでらっしゃる方で、毎年人事の季節がちかずくと、耳がダンボのようになって、人の噂にこころかき乱される人は、いませんか?

本当に、自信があれば、こんなにもびくびくしていないですむのではないではないでしょうか?

それが悪いとは言いません。スターリンやヒットラーのような独裁者も、人を陥れる権謀術数に長け弁舌は優れていたものの、周りの人の噂が気になって仕方のない小心者だったそうです。

彼らと自信喪失性格者の違いは、権謀術数と弁舌の才があるかないかです。

なければ、些細なことで、すぐに不安になって、他人の評価が気になり、他人に� �して、脳神経を異常に興奮させて、心休まることがない(脳の休まることがない)ので、 脳内伝達物質は減りやすいのです。

このような人は、対人関係がうまくいかないことが、一度に複数重なったり、猛烈型人間の上司に嫌われて、とことんいびられると、脳内伝達物質が、もの凄い勢いで減ってしまうのです。

B−3)


登山水疱

これは、物事を完全にやらないときがすまない人です。
完全にやれないと、自分を責めます。
しかし、小学校の通信簿じゃあるまいし、社会人になって、完全に出来ることなど、万に一つです。
ですから、完全主義性格の人は、おおざっぱな人が見ると、できすぎるほど出来ているのに、何をぐちゅぐちゅいっているんだ!・・・・・・・ということになります。
ですから、脳はいつも、完全を目指すことに熱くなり、出来ないと自分を責めることに熱くなっているわけです。
つまり、脳内伝達物質は、つねに平均に比べて減少しやすい状態に置かれているわけです。

B−4)

これは、精神分析の創始者である、ジグムント・フロイドが発見した重要な現象で� �。
詳しくは、故小此木敬吾氏の著書をお読み下さい。

一つの例としては、ある有名な人が、奥さんをガンで亡くした後、自殺しています。
これは、対照喪失によって、信じられないほどのスピードで脳内伝達物質が減少し、自殺念慮がおさえられなくなって、自ら命を絶った、
典型的な対象喪失うつ病による自殺のケースです。

B−5)

これは、病気によって、体内のホメオスタシスがバランスを崩し、不眠となり、本人自身および家族、医師の無理解により、睡眠薬よりは不眠を選ぶことによって、

24時間脳が休みを与えれれなくなり、急速な脳内伝達物質の現象を来たし、ついにはうつ病になってしまう場合を指しています。


最も有名なのは、大出術のあとの不眠です。

大手術のなとは、体内のホメオスタシスが完全にバランスを崩し、不眠になることが、決して少なくありません。

外科の先生の中には、睡眠薬を麻薬のように毛嫌いする人が少なくありません。

あるいは、本人や家族の偏見の場合もあります。

せっかくガンや心臓の大手術に成功しても、その後に不眠症が続き、睡眠薬も出番がないと、脳は、24時間興奮したままになってしまうので、信じられないぐらいのスピードで 脳内伝達物質は現象の一途を辿るのです。

以上、大変おおざっぱですが、脳内伝達物質が減る理由を5つにまとめてみました。



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